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東京税理士会青梅支部所属

システム導入事例

建設業用会計情報データベース(DAIC2)ユーザー

「黒字決算」のための財務戦略――システム事例3建設業用会計情報データベース(DAIC2)ユーザー

町田板金工業株式会社
現場別工事台帳の活用で収益性を高める

東京都青梅市で屋根工事を営む町田板金工業は厳しい経営環境のなか、ここ数年増収増益を続けている。その成長を陰で支えているのがTKCの『建設業用会計情報データベース(DAIC2)』だ。そこで、その活用法を同社の町田健一社長(66)、町田隆一専務、顧問税理士の小澤英喜氏、監査担当者の後藤秀岐氏に聞いた。

屋根・外壁工事を軸に成長路線を築く

――東京都多摩地区を中心に屋根工事や外壁工事などをされているそうですね。

町田社長(以下社長)当社の事業は大きく分けて4つあります。屋根工事、外壁工事、製作金物(樋や金属パネル等の製作・施工)、住宅用太陽光発電システムです。年商は約5億3000万円で、そのうち建物工事関連の屋根、外壁、製作金物で全体の約95%を占めており、残りが環境分野の太陽光発電システムです。

町田専務(以下専務)取引先は地元のゼネコンさんや木造住宅メーカーなど約50社です。とくに売上の約半分を占めている屋根工事に関していえばオフィスビルとか工場、体育館、研究施設、福祉センターなど、戸建て住宅以外の物件を主に手がけています。

町田社長(中央)、町田専務(後列中央)

町田社長(中央)、町田専務(後列中央)

――創業は1970年と聞いていますが……。

社長 もともと実家が青梅市で板金業をやっていたものですから、私も学校を卒業後、この世界に入りました。31歳のときに独立したのですが、同じ青梅市で仕事を始めたため取引先はすべて一から開拓してきました。

専務 私が入社(平成元年)したときは社長(父親)と職人の2人だけで、年商も約2000万円でした。

――この17年間で年商を約27倍に伸ばしたということですか。

社長 ええ。飛躍のきっかけは、ある屋根材メーカーさんに認められたことです。10年ほど前、その会社から材料を仕入れ、保育園の屋根工事を行ったのですが、その仕上がりを見て「これだけの仕事をやる板金屋はいない」と絶賛されました。以来、その会社から仕事を回していただいたり、材料問屋さんや建築会社さんなどを紹介してもらいました。

――太陽光発電システムは、最近、やり始めた事業なのですか。

社長 3年前にシャープの特約店になり、この分野に参入しました。その理由は取引先の工務店さんからもらう図面に太陽光発電システムがついているケースが多くなってきたからです。「屋根工事はできるが、太陽光発電はできない」では仕事を逃す恐れが出てきたわけです。

専務 これは屋根の上に「パネル」(太陽電池)を設置して自家発電するというものです。システムが稼働する日中は、家庭で使用する電力以上に発電されるため、その余剰電力は電力会社(東京電力)が買い取り、逆に夜間発電しないときは電力会社から電気を購入します。1枚のパネルで130ワットの電気が作られ、初期費用(導入コスト)はキロワット単位で計算されます。それはパネルの枚数によって異なりますが、だいたい一軒家で200~300万円です。が、毎月の電気代は導入以前に比べ1~2万円削減されます。

タイムリーに現場別の業績をつかむ

――平成13年に『DAIC2』を導入されたとのことですが、その目的は……。

社長 一言でいえば、タイムリーに現場ごとの業績を把握したかったということです。

専務 それまでは「エクセル」で工事台帳を作成していましたが、工事が終わったあと、実際に利益がどれくらい出ているのかをつかむのにかなり時間がかかっていました。

小澤 その点『DAIC2』だと、実行予算に対して「結果」がどうだったのかがすぐにわかります。具体的にはまず工事を受注すると、《要約工事台帳》にその工事の「請負金額」と、材料費・労務費・外注費等からなる「実行予算額」を入力します。そして実際に工事が始まり、仕入先や外注先から請求書が送られ、そのデータを入力すれば、その段階の費目別の予算残高や工事粗利益をつかむことができます。

専務 当社は20日締めの翌月20日払いなので、その頃までに請求書を送ってもらっています。毎月1回後藤さんが巡回監査にこられ、伝票をすべてチェックしてくれるので、信頼性の高い試算表を作成することができていますね。

社長 屋根や外壁の工期はだいたい1~2ヵ月と短いので最初の、実行予算を組むときが業績管理を行ううえで極めて重要です。

専務 取引先のゼネコンさんが入札に臨む際、「こういう物件があるから屋根に関しての見積もりを出してくれないか……」といわることがあります。その結果、取引先が受注すれば、今度は当社をはじめ5~6社の屋根工事業者から改めて見積もりを取り、競争させます。仮に当社がその屋根工事を請け負うことになれば、先ほど小澤先生がおっしゃったように『DAIC2』の要約工事台帳にデータ入力して管理するわけです。とくに実行予算を組むにあたっては、受注した物件の内容(建物の大きさ等)から材料費や労務費などはこれくらいかかるということがわかるので、おおよその工事粗利益を把握することができます。その粗利益率が常にある水準に達することを目指して業績管理するわけです。逆にいえば、その水準を下回るような物件であれば最初から手(見積もり)を出さないこともあります。

後藤 労務費は同社の職人さんに支払う賃金で、現在10名います。物件ごとにチームを編成し、「日報」で勤務状況を管理しています。また外注の職人さんは10名いて、社員の方と一緒に屋根工事などをすることがあります。

営業マンを育成し年商10億円を目指す

――原価のなかでは、材料費の占める比率が最も大きいのですか。

専務 そうですね。使う材料によって比率は違いますが、なかには60%を超える物もあります。

社長 当社が扱っている材料は全部で約2万点です。仕入先には「いつどの現場に、どの屋根材をどれだけ使うか」を指示して直送してもらっています。そのタイミングに合わせてレッカー車を手配します。レッカー車で屋根材を屋根にあげているからです。

――主にどの帳表を使って業績をチェックされているのでしょうか。

専務 《工事利益管理表》と《現場別工事台帳》です。そのチェックポイントは、(1)目標とする粗利益率が取れているかどうか、(2)実行予算に対して材料費や労務費などがオーバーしているかどうか、です。これまでの経験から材料費に関してはほとんど“ズレ”はないのですが、労務費などに関して見込み違いをすることがたまにあります。

社長 通常の、職人が歩けるような屋根であれば、「その広さがこれくらいなら何人の職人をつければ何日でできる」ということがわかりますが、今まで経験していないような、例えば急勾配のマンションやビルの場合、作業が予想以上に手間取り、労務費がよりかかってしまったということがあります。

専務 その失敗を次に生かします。つまりそれと似たような物件を受注したとき、労務費を算出する際の参考データとして使います。原価は常に現場ごとに違うので、そのノウハウを磨いていかなければライバルとの受注競争に勝てません。そのための手段として『DAIC2』を使っているわけです。

――資金繰りは……。

社長 以前は、ゼネコンさんからの支払いは手形が多かったのですが、最近はファクタリング(ファクタリング会社に売掛債権を譲渡して資金化すること)を利用するケースが増えています。取引先が提携しているファクタリング会社と、当社も契約して行っています。

小澤 とかく建設業界は貸倒がつきものといわれますが、その点、町田板金工業さんは少ないですね。その大きな理由は、専務が今お話ししたように『DAIC2』を使って、原価管理をしっかりやっているからだと思います。

――最後に今後の抱負と課題などについてお聞かせください。

専務 今、当社の大きな課題は営業マンを育成することです。毎月、取引先に70件以上見積もり(金額ベースでは約5億円)を出していますが、その受注率は1割前後にとどまっています。その最大の原因は、私1人でその業務をこなしているからです。正直、見積もりを作成するだけで手一杯で、そのあとのフォローがおろそかになっています。見積もりを出したあと、「あの件はどうなりましたか」と電話一本入れるだけで違うのですが、それすらなかなかできていないのが現状です。

社長 会社はやはりヒトが鍵を握っていますから、腕のいい職人と営業マンを育てていくことが大事です。幸い後継者(専務)が育っているので、彼のもとでみんなが力を合わせて事業に取り組んでいけば、年商を10億円台に乗せることも可能だと思っています。

(八王子SC・成田博史/本誌・岩崎敏夫)